らんちゅう飼育講座
プロも実践!らんちゅうの塩浴方法をくわしく解説!
こんにちは、良質ならんちゅうを日本全国にお届けしている三共組らんちゅうです。
飼育しているらんちゅうがの動きが悪いときや、新規の導入時、病気の予防などに活用したいのがらんちゅうの塩浴です。
ただし、方法を間違えると逆にらんちゅうの調子が崩れてしまうこともあるので、このページでは私ども三共組も実践しているらんちゅうの塩浴方法について具体的な手順を解説致します。
※あくまでも方法の紹介であり、参考のひとつとしてご覧ください。 らんちゅうの状態や、飼育環境や方法によっても健康状態は異なるため、効果効能について保証するものではありません。
らんちゅうの塩浴を行うタイミング
基本的には、「見た目にらんちゅうの調子が悪い」ときに行います。
- 昨日まで元気に泳ぎまわっていたのに、今日は動きがおかしい
- 泳がず、浮いたようになっている
- 体に異物のようなものがついている
- エラがパカパカ開いている
- 端の方に沈み込んでいたまま動かない
調子が悪い原因に早期に対応できた場合、塩浴はどんな病気でも効果的です。
特に泳ぎの悪さが数日続いている、異物がついているといった場合はまず塩浴を試してみることをおすすめします。
早期発見できずに時間が経ってしまっている場合は、塩浴だけでは対応できず、薬の併用などで対処する必要や、すでに手遅れのこともあります。
また、
- 通販で購入して輸送している
- 水槽やプラ船など新しい飼育場所に変える
といった飼育環境が大幅に変わる場合に予防目的で塩浴を行うこともあります。
準備するもの
塩
使用する塩は、市販の食塩などを代用して頂いて問題ございません。
ただし、食塩は水に溶け込むスピードが早いので、急激に溶け込むと魚がショックを起こす可能性もあります。
岩塩を使っていただくと、水に溶けるスピードがゆったりとしており、らんちゅうに急激な水質の変化やショックを与えずに塩浴をさせることができます。
また、ミネラル分が豊富なこともポイントです。
三共組では、いくつか種類のある岩塩かららんちゅうの塩浴のために厳選した天日岩塩を使用しております。
飼育容器
塩浴の場合は、現在の飼育容器から隔離して、別の容器で行います。 10~20リットル程度の容器があればバケツでもかまいません。
エアレーション
市販のもので構いません。
エアストン
エアーレーションをかけて頂く時にはスポンジフィルターなどの使用は控え、エアストンを用いて行う方が効果が得られます。
1.容器に水を入れる
水を入れる前に、容器に苔などがついている場合は落としてきれいにしたほうが効果的です。
水はキレイな水を使います。以前に使っていた水を混ぜる必要はありません。
容器に水を入れ終わったら、らんちゅうを容器の中に入れます。
2.塩の量を測る
病気予防・飼育場所を変える場合と、病気治療の場合では使う量が異なります。
病気予防・飼育場所を変える場合:水10リットルに対し岩塩30gが目安。
病気の治療の場合:水10リットルに対し岩塩50gから90g程度。
今回は三共組でも使っている天日岩塩を使います。
3.塩を投入する
必ずらんちゅうを飼育容器に先に入れてから塩を投入します。
塩を入れる際は、一か所にまとめて入れずに、飼育容器の四隅に等分にわけて投入します。
分散して投入することによって溶けても塩分が一か所に滞らないようにします。
塩を入れてからは、ゆっくり軽くかき混ぜる事をおすすめします。
かき混ぜる回数にルールはありませんが、塩分が濃い部分、薄い部分が出ないように飼育容器全体に水がくるっと回るようにかき混ぜます。
念のため、5分ほど様子を見てから、再度同じようにかき混ぜます。
岩塩の場合は、入れてからしばらくは溶けきりません。 ゆっくり溶けてくれるので、普通の塩に比べてらんちゅうのストレスをより軽減できると思います。
4.様子を見る
最後はエアーレーションを真ん中に入れてそのまま様子を見ます。
今回は一般的に皆様が良く使われているトロ船、プラ船にて撮影しました。
FRPなどの本格的な飼育容器では魚だまりなど丸いくぼみが作られている飼育容器では魚だまりにエアーレーションを入れましょう。
水槽、バケツなどで塩浴する場合もエアストーンは真ん中においてください。
塩浴中の水換えのタイミングや餌やり
病気の治療の場合は2~3日は水換えせずにそのまま安静にします。
塩浴を始めて24時間ほどしますと効果の判断がつき始め、その後の展開が変わります。
じっとして動かないままでまだ効果が得られていない場合は、今の水を半分捨てて、新しい水と捨てた分の塩を補充します。
逆に泳ぐようになっていれば、もう一日そのまま様子を見ます。
このまま改善しているようであれば、今の水を半分捨てて、塩の入っていない新しい水を足します。
この作業を原則2日ごとに繰り返していきます。
餌については塩浴開始時には与えず、二日後~三日後くらいから少量与える程度にします。
ちなみにエアレーションの泡が伸びてしまうので水の痛み具合がわかりにくいことがありますのでご注意ください。
塩浴の期間
状態と照らし合わせながらになりますが、おおむね5日ほどの期間を見てください。
特に最低24時間は安静にして様子を見て、らんちゅうが泳ぎだしたら塩分を薄めて行く作業を繰り返します。
元気になって元の飼育槽に戻すときの注意点
状態が改善されてもすぐに元の飼育容器に戻してはいけません。
塩浴から1週間ほど様子を見て、完全に元気になってから元の水槽に戻します。
他のらんちゅうがいる元の水槽に戻す際には、一度飼育水を綺麗な水に換えてから混ぜ合わします。
最後に水10リットルに対し10gほどの塩を入れます。(このままほうっておいて大丈夫です)
念のため、塩と同時にプロテクトXなどの粘膜保護液を入れる事をおすすめします 。
塩浴しても調子が変わらない場合どうすればいいか?
症状に合わせて対処方法が異なるため、一概にお伝えすることができません。
三共組で購入されたらんちゅうの場合、お電話やメールにて可能な範囲でアドバイス致します。
まとめ
らんちゅうの塩浴方法についてご紹介しました。
もちろん、これだけですべての病気が改善するわけではありませんし、らんちゅうの状態によっては効果の保証ができないことをご了承ください。
やはり基本的には早期発見であればあるほど塩浴の効果は高いです。
毎日らんちゅうの状態を観察し、「ちょっと泳ぎが悪いかな…」と思ったら早めに塩浴を行って様子を見るようにしています。
急な時には食塩で塩浴しても問題ありませんが、溶け込むスピードやショックに気をつけて投入することが欠かせません。
できれば岩塩を常備していただいて、普段から病気に備えることをおすすめします。